旧来の日本食レストランでこれほど器材に配慮したレストランはなかった(ただ一軒、例外として京料理の「源氏」をあげねばならないが、残念ながら十年ほど前に閉店した)。
彼らは日本料理の伝統を生かしながら、そこに全く新しい感覚を持ち込んで成功した。
それが小手先ではなく、本気で国際的な日本料理を目指しているということは、料理を食べてみればよく分かる。
イギリス人が、天ぷら、すき焼きという旧来のメニューではなく、彼らの味覚にしっくりなじむ新しいタイプの日本食を楽しんでいる。
長引く日本の不況で日本人の駐在員の数も激減しており、ロンドンの日本食レストランが日本人の客だけでやっていける時代ではなくなりつつあるようだ。
それに歩調を合わせるかのように、イギリスの中で独自な形で日本食を浸透させるという意欲的な経営者が出て来た。
回転寿司と高級レストランでは、利用する顧客の層が違うが、どちらも日本食の普及に一役買っている。
こうした形で、日本食の国際化は進んでいくのであろう。
イギリスには、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドにサッカー協会がある。
いずれも十九世紀後半の設立で、その歴史はワールドカップを主催する国際サッカー連盟(FIFA)より古い。
国家単位で競技するオリンピックとは異なり、ワールドカップでは、これらイギリスの四地域がそれぞれ単独で参加することが認められている。
十二世紀以来のサッカーの歴史をもつイギリスは特別扱いされているわけだ。
日韓両国で開催された二○○二年のワールドカップでも、イギリス国民の熱狂ぶりはものすごいものである。
サッカーといっても通じるが、ふだん彼らが使う語はフットボールである。
だが、この稿では、日本式にサッカーという言葉を使うことにする。
イギリス人のサッカーへの熱の入れようは、この国に住まなければちょっと想像がつかないだろう。
日本の国技の相撲、あるいは、第二の国技である野球に対する日本人の態度とは、およそ比較にならないほど、イギリスでは国をあげてサッカーに熱狂する。
九十二のプロチーム(英語ではチームといわずクラブという)があり、国内でリーグ戦を行なっているほか、欧州選手権のようなビッグタイトルを争うチャンピオンリーグもある。
そして、何より四年に一回のワールドカップは、最大の注目の的である。
イギリス人にとって、サッカーに関する限り、オリンピックよりもワールドカップの方が重要であり、格が上である。
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